まさひろの『複雑怪奇雑文雑多』

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『シャーロック・ホームズ対伊藤博文 松岡圭祐』期待していなかったが相当面白かった。

1.相当面白い松岡圭祐さんのシャーロック・ホームズ

いや、久しぶりに面白い小説を読んだ。松岡圭祐さん著書『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』だ。これくらい面白く小説を読んだのは『新宿鮫』や『吉川英治 新平家物語』『司馬遼太郎 梟の城』くらい。かなり面白く、素直に文句もつけずに読んでしまった。

 

『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』は図書館で偶然発見した本だ。私は図書館で長い時間をかけて本を選ぶのが好きなのだが、この本もそうやって図書館を徘徊しているときに偶然発見した。それまで松岡圭祐さんの本は読んだことがなかった。そうやって偶然手にした本書だが期せずして面白かった。

 

2.この本はきちんとシャーロック・ホームズしている

私はシャーロキアンというほどシャーロック・ホームズに詳しいわけではない。それでもホームズは全巻読んでいるし(内容は忘れているものが多いが)、シャーロック・ホームズはどういう人物でワトソンがこういう役割を担っていて、、、と設定はそれなりに分かるつもりだ。そういう目から見ると、この本はきちんとシャーロック・ホームズしていたwww。文中にはそれとなく本家ホームズの設定を入れている。「ああこの場面は本家のあの場面を想定しているな」などなど。特にラストのホームズがロンドンに帰った後の記述のところはホームズファンとしてはたまらなかった。ホームズが犯人を紹介するところ(かしこまって仰々しく皆に紹介する)、犯人がホームズを罵るところ(変な言葉で繰り返し罵倒するところ)、なによりワトソン視点での記述はファンにとって最高のご褒美だと思う。

 

まあ若干違和感を感じた部分もあった。しかしそれは著者もわかっているのではないかと思う。私はシャーロック・ホームズの話し方に少し違和感を感じたが、そこは日本に来て勝手が違ったということや、日本での心細さみたいなものもあったのかなと理解した。あとシャーロック・ホームズがやたらと日本のことを褒めていたり、どうもセンチメンタルな気分に浸っていたが、そこはエンターテインメントということで納得した。それとも松岡流のシャーロック・ホームズ像の解釈なのかもしれない。

 

3.ホームズものとしても面白いしエンターテインメントとしても面白い

私が『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』が最高に面白かった理由は、私がホームズが大好きなのと、そもそもこの本がエンターテインメントとして十分面白いからだと思う。ホームズ好きな私としてはホームズが出てくる時点で興味を惹かれたし、ホームズが日本に出てくる理由や伊藤博文に出会う設定に違和感を感じなかった。そのあたりに無理な設定があれば世界観に惹かれなかったと思う。さきほども書いたが、この本には本家ホームズの設定がちらほらでてくる。「まだらの紐」「赤毛組合」「ボヘミアの醜聞」などの設定が引用されているので、ホームズファンとしては引き込まれずにはいられない。

 

何よりこの本はエンターテインメントしている。ロシアと日本の戦争の阻止という非常に重要なところにホームズと伊藤博文が関わってくる。当時のいろいろな事件や世相を複雑にホームズと伊藤博文を絡ませながら話を作ったのは凄いと思った。ホームズと伊藤博文が出てこなくてもそれなりに面白いストーリーになっているのかもしれない。ホームズとエンターテインメント、この2つが重なってより面白い作品になっている。

 

4.本当に続編期待!!

正直、図書館で借りたときは全く期待していなかった。「本家ホームズより面白いはずがない」と思っていた。が、それは全くの誤りだった。この本は相当面白い。私は図書館で借りたので、地域の図書館にあるかもしれない。一度読んでみることをおすすめする。

 

しかしここまでの仕上がりの本を読んでしまうともう一回と期待してしまう。新しいシリーズを期待してしまう。ただシャーロック・ホームズは伊藤博文と事件を解決した後に日本を離れてしまう。だから伊藤博文との共演は難しいかもしれない。だがシャーロック・ホームズシリーズは何でもありなので、実は日本で違う事件も解決していたという設定で話を作って欲しい。それか日本を離れた後、中国に立ち寄り事件を解決したでもいい。松岡圭祐さんが書くシャーロック・ホームズものをもう一度見てみたい。